問8 2018年9月実技(保険顧客)
問8 問題文
Mさんは、《設例》の<資料>の逓増定期保険について説明した。MさんのAさんに対する説明として、次のうち最も不適切なものはどれか。
1) 「現在加入している生命保険の解約返戻金は、逓増率変更年度経過後10年程度は増加しますので、Aさんが勇退を検討されている10年後の退職金準備として適しています。解約することなく、継続されることをお勧めします」
2) 「現在加入している生命保険を払済終身保険に変更することもできます。Aさんが勇退する際に、契約者をAさん、死亡保険金受取人をAさんの相続人に名義変更することで、当該払済終身保険を役員退職金の一部として支給することができます」
3) 「急な資金需要の発生により、X社が当該生命保険から契約者貸付制度を利用した場合、契約者貸付金の全額を借入金として負債に計上する必要があります」
問8 解答・解説
逓増定期保険の商品性・払済保険・契約者貸付に関する問題です。
1)は、不適切。逓増定期保険の単純返戻率(解約返戻金÷払込保険料累計額)は、逓増率変更年度から上昇し、保険金額のピーク前後とともにピークを迎えます(契約から5〜10年後)が、その後保険期間満了時まで年々逓減しながら推移し、保険期間満了時は0(ゼロ)となります(保険金額は同程度の水準を維持)。
本問の場合、現時点で既に契約から8年経過しており、Aさんが勇退を予定している今から10年後には解約返戻金が大幅に減額している可能性が高いため、退職金準備として継続することは不適切です。
2)は、適切。払済保険は、生命保険の保険料の払込みを中止し、その時点での解約返戻金をもとに、“保険期間は変えない”で、“保険金額は少ない”保険に変更したものですが、長期平準定期保険や逓増定期保険を払済終身保険に変更することも可能であり、保険料負担を軽減可能です。
また、法人が役員や従業員にかけた生命保険は、受取人を役員・従業員本人やその遺族に名義変更し、退職金の一部として現物支給可能です。
この場合、支給時点での解約返戻金相当額が退職収入とみなされ、他の退職手当等と合算して、退職所得額が計算されます。
3)は、適切。法人に急な資金需要が発生した場合には、契約者貸付制度により解約返戻金の最大90%まで融資を受けることが可能です。また、法人が契約者貸付金を受け取った際は、借入金として負債に計上します。
よって正解は、1
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