問2 2016年5月実技(個人資産)
問2 問題文
Mさんは、Aさんが60歳でX社を定年退職し、その後再就職等をしない場合におけるAさんの将来の公的年金の給付等について説明した。MさんのAさんに対する説明として、次のうち最も不適切なものはどれか。
1) 「Aさんには特別支給の老齢厚生年金は支給されず、老齢基礎年金および老齢厚生年金の支給開始年齢は、原則として65歳となります」
2) 「Aさんが60歳到達日以降に老齢基礎年金および老齢厚生年金の繰上げ支給の請求をした場合、老齢基礎年金の年金額は繰上げ1カ月当たり0.5%減額され、老齢厚生年金の年金額は繰上げ1カ月当たり0.7%減額されます」
3) 「Aさんには国民年金の任意未加入期間がありますが、定年退職後から65歳になるまでの間、その任意未加入期間に相当する月数について、国民年金に任意加入して保険料を納付した場合、老齢基礎年金の年金額を増額させることができます」
問2 解答・解説
特別支給の老齢厚生年金・年金の繰上げ・国民年金の任意加入に関する問題です。
1)は、適切。特別支給の老齢厚生年金を受給するには、老齢基礎年金の受給資格期間を満たしていること、厚生年金保険の被保険者期間1年以上、支給開始年齢に達していることが必要です。
Aさんは老齢基礎年金の受給資格期間(保険料納付済期間と免除期間の合計25年(300月)以上)を満たし、厚生年金にも1年以上加入していますから、支給開始年齢になれば受給可能です。
Aさんは昭和40年11月23日生まれですので、特別支給の老齢厚生年金は支給されず、65歳からは老齢基礎年金と老齢厚生年金を受給できます。
<報酬比例部分の支給開始年齢>(女性は各5年遅れ)
・昭和28年4月1日以前生まれ……………………60歳
・昭和28年4月2日〜昭和30年4月1日生まれ……61歳
・昭和30年4月2日〜昭和32年4月1日生まれ……62歳
・昭和32年4月2日〜昭和34年4月1日生まれ……63歳
・昭和34年4月2日〜昭和36年4月1日生まれ……64歳
※特別支給の老齢厚生年金は、昭和36年4月2日以降生まれ(女性は昭和41年4月2日以降)の人には支給されません。
2)は、不適切。老齢基礎年金と老齢厚生年金の繰上げ・繰下げによる減額率・増額率は同一で、支給繰上げをした場合には、年金は1カ月当たり0.5%減額されます。逆に、支給繰下げをした場合、年金は1カ月当たり0.7%増額されます。
3)は、適切。国民年金加入者は、保険料納付済期間が40年間(480月)に満たない場合や、受給資格期間が25年に満たない場合は、60歳以後も国民年金に任意加入できます。
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