問6 2023年5月実技(個人資産)
問6 問題文
最後に、Mさんは、上場不動産投資信託(J-REIT)について説明した。MさんのAさんに対する説明として、次のうち最も不適切なものはどれか。
1) 「上場不動産投資信託(J-REIT)は、投資家から集めた資金を不動産投資法人が不動産等に投資し、その賃貸収入や売買益を投資家に分配する投資信託です」
2) 「上場不動産投資信託(J-REIT)の分配金は、配当所得となり、確定申告をすることで配当控除の適用を受けることができます」
3) 「上場不動産投資信託(J-REIT)は、上場株式と同様に指値注文や成行注文により売買することができます」
問6 解答・解説
上場不動産投資信託(J-REIT)に関する問題です。
1)は、適切。投資信託は契約型と会社型に分類できますが、東京証券取引所に上場されている不動産投資信託(J-REIT)は、すべて会社型投資信託です。
会社型の投資信託は、投資法人を設立し、その投資法人が発行する投資口を投資家が購入する形式で、J-REITなどが該当します。
また、J-REITの分配金の原資は、主に不動産への直接投資によって得られる賃貸収入や売買益です。
2)は、不適切。J-REITの収益分配金は、配当控除の対象外です。
そもそも配当控除とは、法人税と所得税の二重課税を避けるため、設けられている制度です。
株の配当や投信の分配金は、企業が法人税を払った後の剰余金であるため、ここに所得税を課税すると、いったん税金を取った後のお金から、さらに税金を取る二重課税となってしまいます。
そこで、二重課税を回避するため、確定申告時に一定額を配当控除として差し引くわけです。
しかし、J-REITの収益分配金は、法人税を支払う前の利益を分配できる(分配金の損金算入可)ため、二重課税が発生しないことから、配当控除の対象外となっています。
3)は、適切。J-REITは、証券取引所に多数の銘柄が上場しており、通常の株式同様に指値注文や成行注文等、市場で自由に売買でき、一般的には証券会社を通じて取引を行います。
よって正解は、2
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