問9 2023年1月実技(保険顧客)

問9 問題文と解答・解説

問9 問題文

Mさんは、《設例》の長期平準定期保険について説明した。MさんのAさんに対する説明として、次のうち最も不適切なものはどれか。

1) 「X社が当該生命保険を解約した場合にX社が受け取る解約返戻金は、Aさんに支給する役員退職金の原資として活用する以外に、設備投資等の事業資金としても活用することができます」

2) 「現時点で当該生命保険を払済終身保険に変更する場合、契約は継続するため、経理処理は必要ありません」

3) 「当該生命保険を払済終身保険に変更し、Aさんが勇退する際に、契約者をAさん、死亡保険金受取人をAさんの相続人に名義を変更することで、当該払済終身保険を役員退職金の一部としてAさんに現物支給することができます」

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問9 解答・解説

法人の生命保険の経理処理・活用方法に関する問題です。

1)は、適切。長期平準定期保険では、被保険者が保険期間中に死亡した場合の死亡保険金や解約返戻金を、借入金の返済や人件費・設備投資等の企業の事業資金として活用できます。

2)は、不適切。長期平準定期保険を払済終身保険へ変更する場合、解約返戻金相当額は保険料積立金として資産計上し、変更時点での資産計上額については前払保険料として資産計上します。また、変更時点の資産計上額と解約返戻金相当額との差額については、雑収入(または雑損失)として計上します。

3)は、適切。払済保険は、生命保険の保険料の払込みを中止し、その時点での解約返戻金をもとに、“保険期間は変えない”で、“保険金額は少ない”保険に変更したものですが、長期平準定期保険や逓増定期保険を払済終身保険に変更することも可能であり、保険料負担を軽減可能です。
また、法人が役員や従業員にかけた生命保険は、受取人を役員・従業員本人やその遺族に名義変更し、退職金の一部として現物支給可能です。
この場合、支給時点での解約返戻金相当額が退職収入とみなされ、他の退職手当等と合算して、退職所得額が計算されます。

よって正解は、2

問8             第4問

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