問10 2019年5月実技(保険顧客)
問10 問題文
Aさんの2018年分の所得税の確定申告に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
1) 「一時払養老保険は金融類似商品に該当するため、Aさんが受け取った満期保険金に係る保険差益は源泉分離課税の対象となります」
2) 「Aさんの場合、総所得金額に算入される一時所得の金額の合計額が20万円を超えるため、Aさんは所得税の確定申告をしなければなりません」
3) 「会社員であるAさんが所得税の確定申告をする場合、確定申告書はAさんの勤務先を経由して、勤務先の住所地の所轄税務署長に提出することになります」
問10 解答・解説
金融類似商品となる保険商品・給与所得者の確定申告に関する問題です。
1)は、不適切。一時払の養老保険や個人年金保険・変額個人年金などを契約から5年以内に解約( 満期による契約満了含む)した場合、金融類似商品として受取差益に20.315%の源泉分離課税となります(復興所得税含む)。
ただし、金融類似商品の対象条件の一つとして、死亡保険金額が満期保険金額の一定倍率以下とされていますので、満期のない終身保険は該当しません。
従って、一時払終身保険や終身型の個人年金を5年以内に解約した場合、解約返戻金は一時所得の収入金額として総合課税の対象です。
2)は、適切。年末調整を受けている給与所得者でも、給与を1ヶ所から受けていて、給与所得や退職所得を除いた各種所得の合計が20万円を超える場合には、確定申告が必要です。
Aさんには、給与所得以外に一時所得(一時払養老保険の満期保険金・終身保険の解約返戻金)がありますが、一時所得は総所得金額を計算する際に、その2分の1が合算対象のため、確定申告の要否も2分の1が20万円を超えるかで判断します。
一時所得=収入額−収入を得るために支出した額−特別控除50万円 ですので、
一時所得=(1,100万円+490万円)−(1,000万円+420万円)−特別控除50万円=120万円
従って、その2分の1の額:60万円>20万円 ですので、確定申告が必要です。
3)は、不適切。給与所得者は、必要書類を勤務先に提出することで年末調整されるため、通常は確定申告は不要ですが、最初の年分の住宅ローン控除を受ける場合等、確定申告が必要な場合には、納税者自身が住所地の所轄税務署に確定申告書を提出することが必要です。
よって正解は、2
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