問9 2016年1月実技(保険顧客)
問9 問題文
設例の<資料>(2)無配当定期保険に関するアドバイスとして、次のうち最も適切なものはどれか。
1) 「保険期間中に被保険者であるAさんが死亡した場合、X社はそれまでに資産計上していた前払保険料を取り崩して、受け取った死亡保険金との差額を雑収入として経理処理します」
2) 「Aさんが死亡した場合にX社が受け取る死亡保険金は、借入金返済や運転資金等の事業保障資金として活用することができます」
3) 「この生命保険は保険期間満了時には解約返戻金が0円となりますが、保険期間の途中で解約すれば多額の解約返戻金を受け取れますので、Aさんに支給する役員退職金を準備する方法として適しています」
問9 解答・解説
法人の生命保険の経理処理・活用方法に関する問題です。
1)は、不適切。無配当定期保険とは、保険会社からの配当金支払いがない定期保険のことで、掛捨て型の保険であることから、支払った保険料全額を損金算入することができます。
よって、これまでの資産計上額は0円ですから、受取保険金=保険差益=雑収入として経理処理します。
2)は、適切。死亡保険金受取人を法人とする生命保険では、法人が受け取った死亡保険金を借入金返済や運転資金等の事業保障資金として活用可能です。
3)は、不適切。設例の「無配当定期保険」とは、保険会社からの配当金支払いがない定期保険のことで、掛捨て型の保険であることから、解約返戻金は保険期間の経過に従って、一定期間まで増加するものの、その後は逓減し、払込保険料総額を上回ることはありません。従って役員退職金を準備する方法としては不適切で、長期平準定期保険等が適しています。
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