問4 2016年1月実技(保険顧客)
問4 問題文
はじめに、Mさんは、必要保障額の考え方についてアドバイスした。MさんのAさんに対するアドバイスとして、次のうち最も不適切なものはどれか。
1) 「必要保障額を大きく左右する項目として、住居費用が挙げられます。Aさんが住宅ローンを利用して自宅を購入した後に死亡した場合、住宅ローン債務は団体信用生命保険の死亡保険金により弁済されるため、住宅ローンの残債務を遺族に必要な生活資金等の総額に含める必要はありません」
2) 「遺族の収入見込金額を計算する際は、遺族基礎年金および遺族厚生年金の額について把握する必要があります。Aさんの死亡後に妻Bさんが就業すると、妻Bさんの給与額に応じて、遺族給付の一部または全部が支給停止となる場合がありますので、注意してください」
3) 「必要保障額の算出は、死亡保障が不足する事態を回避し、かつ、過剰な保険料支出を抑制するための判断材料となります。『妻Bさんの就職』『長男Cさんの進学』など、節目となるライフイベントが発生するタイミングで、必要保障額を再計算しましょう」
問4 解答・解説
必要保障額に関する問題です。
1)は、適切。団体信用生命保険に加入すると、住宅ローンを借りた人が被保険者となり、万一の場合でも死亡保険金でローン残高が弁済されるため、必要保障額に見込む必要が無くなります。
Aさんは住宅ローンの利用に際し団信加入を予定しており、Aさん死亡後はローン残高を遺族に必要な生活資金に見込む必要はありません。
2)は、不適切。遺族基礎年金や遺族厚生年金は、遺族の就業の有無や収入額に関係なく、死亡当時の生計維持関係や年齢等が支給条件となるため、遺族の給与額に応じて支給停止となることはありません。
3)は、適切。必要保障額=死亡後の総支出−総収入 で、必要保障額は子どもの成長等の今後のライフイベントやライフプランの変化によっても変動するため、必要保障額の算出条件に変化が生じた場合には、必要保障額の再計算を行ったうえで保障金額を見直すことが大切です。
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