問7 2014年9月実技(保険顧客)
問7 問題文
仮に,X社がAさんに役員退職慰労金8,000万円を支給した場合,Aさんが受け取る役員退職慰労金の課税関係に関する次の記述のうち,最も適切なものはどれか。
1) 退職所得の金額の計算において,退職所得控除額はAさんの役員在任期間に応じて算出されるが,800万円が上限となる。
2) 退職所得の金額は,役員退職慰労金の額から退職所得控除額を控除した残額に2分の1を乗じて算出される。
3) 仮に,Aさんが受け取る役員退職慰労金の額が不相当に高額と認定された場合,不相当に高額と認められた部分の金額は退職所得の対象とならず,雑所得として所得税が課税される。
問7 解答・解説
退職所得に関する問題です。
1)は、不適切。退職所得=(退職収入−退職所得控除)×1/2 で計算されますが、退職所得控除額は、勤続年数が20年以下の期間は1年当たり40万円(最低80万円)、20年を超える期間は1年当たり70万円です。
2)は、適切。退職所得=(退職収入−退職所得控除)×1/2 で計算されます。
※役員としての勤続年数が5年以下の場合、特定役員として上記計算式における「1/2」がなくなり、特定役員退職所得=退職収入−退職所得控除 となります。
3)は、不適切。会社が支払う役員退職金は、一定の算定方式による算出額を超えた過大な部分については損金算入できませんが、受け取った役員側は、過大な部分も含めて全額が退職所得の対象となります。
よって、赤字会社であっても、あえて高額な役員退職金を支給することで、法人の税金を増やさずに、役員側では退職所得として税制優遇を受けつつ、資産移転することが可能です。
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