問8 2022年1月実技(保険顧客)

問8 問題文と解答・解説

問8 問題文

Mさんは、《設例》の終身保険について説明した。MさんのAさんに対する説明として、次のうち最も適切なものはどれか。

1) 「当該終身保険の支払保険料は、その全額を損金の額に算入することができます」

2) 「X社が保険期間中に資金が必要となった場合に、契約者貸付制度を利用することにより、当該終身保険契約を解約することなく、資金を調達することができます」

3) 「Aさんの勇退時に、契約者をAさん、死亡保険金受取人をAさんの相続人に名義変更して、当該終身保険契約を役員退職金の一部として現物支給した場合、契約は継続しているため、X社での経理処理は必要ありません」

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問8 解答・解説

法人の生命保険の経理処理・活用方法に関する問題です。

1)は、不適切。死亡保険金受取人=法人とする終身保険では、最終的に必ず法人が保険金を受け取ることができることから、支払保険料の全額を保険料積立金として資産計上します。

2)は、適切。法人に急な資金需要が発生した場合には、契約者貸付制度により解約返戻金の最大90%まで融資を受けることが可能です。また、法人が契約者貸付金を受け取った際は、借入金として負債に計上します。

3)は、不適切。法人が役員や従業員にかけた生命保険は、受取人を役員・従業員本人やその遺族に名義変更し、退職金の一部として現物支給可能です。ただし、会社名義の生命保険を役員名義に変更する場合、それまで資産計上していた保険料積立金や配当金積立金を取り崩し、受け取った解約返戻金との差額を雑収入(または雑損失)として計上します。
なお、解約返戻金相当額が退職収入とみなされるため、役員退職金として損金算入可能です(不相当に高額な部分は不可)。

よって正解は、2

問7             問9

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