問20 2016年1月実技(資産設計)

問20 問題文と解答・解説

問20 問題文

浩一さんは、会社の定期健康診断で異常を指摘され、平成27年11月に2週間ほど入院をして治療を受けた。その際の病院への支払いが高額であったため、浩一さんは健康保険の高額療養費制度によって払戻しを受けたいと考え、FPの神山さんに相談をした。浩一さんの平成27年11月の保険診療に係る総医療費が80万円であった場合、高額療養費制度により払戻しを受けることができる金額として、正しいものはどれか。なお、浩一さんは全国健康保険協会管掌健康保険(協会けんぽ)の被保険者で、標準報酬月額は「38万円」である。

<70歳未満の者:医療費の自己負担限度額(1ヵ月当たり)>

※多数該当および世帯合算については考慮しない。

1.70,180円

2.85,430円

3.154,570円

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問20 解答・解説

高額療養費制度に関する問題です。

サラリーマンなどの会社員が加入する健康保険では、70歳未満の場合、医療費の自己負担は原則3割ですが、自己負担額には上限があり、自己負担限度額を超えた分については、高額療養費として支給されることになります。
自己負担限度額は、平成26年12月までは上位所得・一般・低所得の3種類でしたが、平成27年1月以降、5段階となり、主に上位所得者の自己負担限度額が引き上げられました。

<自己負担限度額(70歳未満)>
標準報酬月額83万円以上:252,600円+(総医療費−842,000円)×1%
標準報酬月額53〜79万円:167,400円+(総医療費−558,000円)×1%
標準報酬月額28〜50万円:80,100円+(総医療費−267,000円)×1%
標準報酬月額26万円以下:57,600円
低所得者:35,400円

浩一さんの総医療費は80万円で、標準報酬月額は38万円ですので、
自己負担限度額=80,100円+(800,000円−267,000円)×1%
       =80,100円+5,330円=85,430円

従って、高額療養費=自己負担800,000円×30%−限度額85,430円=154,570円
よって正解は、3. 154,570円

なお、低所得者とは住民税非課税世帯等のことです。


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