問19 2011年5月実技(資産設計)

問19 問題文と解答・解説

問19 問題文

亜美さんは、広樹さんが万一死亡した場合、自分と残された子どもが生活していけるかどうか不安になり、FPの加賀さんに相談をした。
仮に1年後、広樹さんが仕事中の不慮の事故により死亡したものとすると、広樹さんの死亡時点において亜美さんに支給される公的年金の遺族給付として、最も適切なものはどれか。
なお、広樹さんは、入社時(22歳で入社)から死亡時まで厚生年金保険に加入しているものとし、遺族給付における生計維持要件は満たされているものとする。
<清瀬家の家族構成>

1.遺族厚生年金のみ

2.遺族厚生年金と遺族基礎年金

3.死亡一時金と寡婦年金

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問19 解答・解説

遺族基礎年金・遺族厚生年金に関する問題です。
公的年金の被保険者が死亡した場合、遺族に対して遺族基礎年金や遺族厚生年金が支給されます。

まず、遺族基礎年金は、主に、子供や子供のいる妻が支給対象で、子どもの人数に応じて、支給額が増加します(支給期間は子供が18歳になるまで)。

支給要件は以下全てを満たすことが必要です。
●妻の場合:被保険者(夫)が死亡した当時、生計維持関係にあり、子どもと同一生計
●子の場合:被保険者(父・母)が死亡した当時、生計維持関係にあり、18歳未満(18歳到達年度末まで可)、または20歳未満で障害有り。かつ、結婚していない

よって、1年後に広樹さんが死亡した場合に、妻の亜美さんには1歳の葵ちゃんがいるため、遺族基礎年金が支給されます(葵ちゃんが18歳になるまで)。

次に、遺族厚生年金は、厚生年金保険の被保険者が死亡した場合、その被保険者によって生計を維持されていた配偶者および子、父母、孫、祖父母(←支給順位順)に、支給されます(最高順位の者以外には受給権無し)。
よって、広樹さんに生計を維持されていた妻の亜美さんには、遺族厚生年金も支給されます。

また、夫死亡時に40歳以上で子のいない妻や、子があってもその子が遺族基礎年金における加算対象外となったときに40歳以上の妻には、遺族厚生年金に中高齢寡婦加算が加算されますが、夫の広樹さんが35歳で死亡時、妻の亜美さんは33歳で子どもがいますので、中高齢寡婦加算はありません(子どもが18歳になって遺族基礎年金の支給が終わると、亜美さんは50歳になっているため、遺族厚生年金に中高齢寡婦加算が加算されます)。

よって正解は、2.遺族厚生年金と遺族基礎年金

なお、平成23年度は年金額が改定されたため、以下の通りとなります。
遺族基礎年金:788,900円+子の加算
                 (第1子・第2子各227,000円、第3子以降各75,600円)
中高齢寡婦加算:591,700円

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